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『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』2017 感想 ネタバレあり

『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』を見てきたのでその感想と考察を書いていこうと思います。この記事はネタバレありなのでまだ見てない人は気を付けてください。

 

 

           

あらすじ

ある雨の日に主人公のビルの弟ジョージが道路の路肩でおもちゃの船を浮かばせて遊んでいました。おもちゃの船が側溝の中に入っていきました。ジョージは側溝を覗き込むと、ピエロがいたのです。そして、ジョージはそのピエロに殺されてしまいます。

 

  それからに二年後の夏、デリーという町が映画の舞台となります。デリーでは少女が行方不明になる事件が起きていました。 夏休みの間、ビルは友人であるリッチーとスタンリー、エディともに行動します。その後メンバーにベン、ベバリー、マイクがメンバーに加わりました。自分たちを〈Losers culb〉(はみだしクラブ)と命名し、夏の間、共に行動します。 

 

 このメンバーはそれぞれがこの夏の間に恐怖体験をしたことを話します。その共通点にピエロの怪物が関係していることが判明しました。ビルはジョージの死がこのピエロが原因と確信し、ピエロを退治することを心に誓います。

 

  ビルたちはピエロは井戸に原因があると考え、その井戸の上に建った幽霊屋敷に入っていきました。そこでペニーワイズというピエロがビルたち襲い掛かります。なんとかその場を逃げることができましたが、ビルたちは強い恐怖心を植え付けられます。ビルとベバリー以外のメンバーはピエロ退治をあきらめてしましました。 

 

 ビルたちはいつもの日常に戻っていしました。そんな中、ベバリーがペニーワイズに連れ去られてしまいます。ビルは再びメンバーを集め、ペニーワイズの拠点である井戸の中を進んでいきました。

 

  様々な困難を乗り越え貯水槽に行き、捕らわれていたベバリーを救助しました。ビルはそこで死んだはずの弟を発見します。ビルは弟ジョージの死を受けいれ、ペニーワイズと闘うことを選びました。ほかのメンバーも恐怖に打ち勝ち、ペニーワイズと対峙します。そして、メンバーの絆によってペニーワイズを倒すことができました。 

 

 ペニーワイズを倒した後、約束をして別れました。最後に残ったビルとベバリーはキスをして終わります。 映画の最後に第1章ENDと出てくるので、27年後の大人編があることをうかがわせます。 

 キャラクター 

ペニーワイズ

ピエロの恰好をした化け物。その姿は人々が怖いとと思うものに化けることができる。そのほかにも、映像の中から出てきたり、巨大化したり、奇妙な踊りを披露したりする。子供を怖がらせるためだったら、なんだってしてくれます。映画の中では観客がなんか怖いなぁと思ったシーンでは必ず現れてくれるのです。

 

デリーの町ができる前から住んでいる。その正体は作中では明らかにされませんが、原作から恐怖を食べて生きる地球外生命体と考えられてます。本当の姿は蜘蛛と似ているが蜘蛛ではありません。生活周期は27年間冬眠し、冬眠から目覚めると子供たちの恐怖を食べ、腹いっぱいになると、また冬眠します。

ビル

本作の主人公。弟ジョージの死を受け入れられず、弟が死んだといわれると怒ります。吃音で喋ろうとすると、どもってしまいます。作中のクライマックスではどもらず喋り、ビルの心の成長が垣間見えました。

作中では父親が登場する。ジョージの死を受け入れないビルに対して、冷たいです。もしかしたらそれが親心なのかもしれません。

恐怖

ペニーワイズが弟の姿で何度も現れました。

弟ジョージの死は自分に責任があると感じているのかもしれません。

作中ではジョージがいない家に帰ることが怖いとも述べていました。

ジョージの死から家族仲は上手くいってないことを伺わせます。

ベバリー

ルーザーズクラブの紅一点。他のメンバーより大人びていて、最初に恐怖心を打ち払うことができました。そのことは崖から川へ飛び込みのときに彼女が一番初めに飛び込んだことからもわかります。

父親が登場します。彼の父親は支配欲が強く、ベバリーに男友達できることを強く嫌がります。

恐怖

生理用品を初めて買おうとする描写や浴室から血が噴き出す描写から、彼女は大人に近づくことを恐怖に思っています。

またクライマックス周辺ではペニーワイズが父親の顔に化けることから、父親も恐怖の対象でしょう。

ベン

ベンは転校生で見た目が太っていることから、からかわれています。本が好きで夏休みには外で遊ばず、図書室に籠っていました。そのおかげもありペニーワイズの居場所の手掛かりを手に入れることができました。ベバリーに片思いをしていますが、結局はその恋は実りませんでした。功績の割にあまり報われません。

リッチー

眼鏡をかけており、語彙が豊富でユーモアあります。この映画の中で一番好きなキャラクターです。

恐怖

彼はピエロに対して恐怖を感じるピエロ恐怖症です。こういった子供たちがデリーに多くいるため、ペニーワイズはピエロの恰好をしているのかもしれません。

自分の行方不明の張り紙を見て、パニックなっていたところから、あの態度とは裏腹に内心はかなりのビビりだと推測できます。

エディ

病気がちで常に吸引器と薬を持ち歩いています。不潔なところに入ること嫌い、病気になる危険性を常に言っています。

眼鏡をかけ太り気味の母親が登場します。この母親はいっけんやさしそうに見えますが、過保護で常にエディの行動を制限しようとします。エディの使ってる薬も偽薬と分かります。

恐怖

顔の形が崩れ、花が腐れ落ち、目から蛆虫が飛び出している男が登場します。これは母親の影響で病気に対して過度に恐れるエディの心情が大きく反映されています。

スタンリー

ユダヤ教の司祭の息子。冒険やペニーワイズとの対決にも弱腰です。ペニーワイズとの対決では顔を噛まれて、散々な目に遇います。

ユダヤ教の司祭で息子のスタンリーに厳しい。

恐怖

教会に飾っているやせ細った女性の肖像画を怖がっています。この肖像画が本当に不気味で趣味を疑います。

マイク

黒人の少年。食肉業を営んでいる家庭で仕事の手伝いをしています。冒頭のシーンでは羊をと殺できませんでしたが、後半でのシーンではと殺しています。

マイクの両親は火事で亡くなっており、祖父らしき人が仕事や生き方にについて教えています。

恐怖

過去に両親を失った火事。

ペニーワイズの正体について思ったこと

ペニーワイズは子供達が恐怖に抱いているものに変身します。そのことからペニーワイズは恐怖の象徴だと考えられます。僕はそこから一歩踏み込んで、ペニーワイズは大人になる恐怖の象徴だと思いました。

 

ビルは弟の死を受け入れられず、ビルの父親はビルにジョージが死んだ事実を受け入れるように言います。ビルにとってはジョージの死を受けいれることが大人になるということです。

 

ベバリーには二次性徴の段階で肉体で大人になろうとする段階です。そして、その恐怖によって浴室が血だらけになりました。ベバリーにとっては成長を受け入れ、父親から支配から脱することが大人になるということでした。

 

ほかにもベンはベバリーを救うためキスをしたり、リッチーは友人のために恐怖の対象であったピエロに立ち向かいます。エディは過保護な親の支配から抜け出し、自分の意志で行動します。マイクはいつの間にか羊を殺せるようになります。みんなこの夏の間、大人になる通過儀礼を経験します。

 

(スタンリーに関しては大人になる通過儀礼がほかの人よりも少ないように思えます。

おそらくこれは続編の伏線なのかもしれません。)

 

デリーの町に住んでいる大人はろくな大人がいません。特にテレビを見ている大人は子供と向き合おうとせずに支配しようとします。テレビにはよくピエロが出てきます。これはペニーワイズがデリーの町の人間に悪影響を与えているのではないしょうか?

(そのせいか、比較的テレビを見なそうな図書館の司書さんはやさしそうでした。)

 

これでは子供たちは大人に失望し、大人になりたくないと考えるのも当然です。それこそがペニーワイズの戦略だったのかもしれません。しかし、大人になることを受けいれることによってペニーワイズを倒すことができたのです。