リアルな人体を描きたい人にオススメな教材本
今回紹介する絵の教材本は
リアルなキャラクターを描くためのデッサン講座 (漫画の教科書シリーズ)
です。
著者について
この本はアニメーターの西澤晋さんが書きました。
西澤晋は『スペースコブラ』の動画や『ゴルゴ13』の作画監督などたくさんの作品にかかわっています。
作風についてはリアルな絵を描きます。ただ、アニメにしてはリアルすぎる絵のため、仕事と疎遠になってた時期もあるらしいです。
この本の構成
この本はchapter.1とchapter.2の二部構成になっています。
chapter.1はリアルな人体を描くための仕組み、
chapter.2は写実的に描くための画面構成となっています。
この本にはリアルや写実というキーワードが頻繁にでてきます。
それだけこの本の著者がリアルにこだわっていることを伺わせます。
この本の特徴
この本はルーミス先生の『やさしい人物画』に非常に影響を受けていると思います。実際にこの本のはじめにというページには
……だいたい人物を描くために必要なことはアンドリュー・ルーミスのデッサン技法書『やさしい人物画』の中にですでに紹介されている。
(中略)…私自身リアル描くことを目指し、若い時はルーミスの本を何度も模写して勉強しました。
と述べられている。
僕自身もこの本はルーミス先生の作風に似ていると思っています。人体のプロポーションやポージングなどはどことなく『やさしい人物画』のイラストを思わせます。
僕は先にこの本を読んで、そのあとにルーミス先生の『やさしい人物画』を読みました。そのために、以前に記事で描いたように『やさしい人物画』が非常にわかりづらいと感じたのかもしれません。
しかし、逆に考えれば
この本が非常にわかりやすいともいえます。
わかりやすい理由
この本は『やさしい人物画』と違って、描き方の手順が載っています。この描き方の手順はお絵描き初心者にとって非常に心強いです。最初はその描き方の手順にのっとって描けば、上手に描けます。
ふたつめの理由はこの本が二色刷りという点です。『やさしい人物画』は黒の一色だけでどこが重要な点がわかりづらかったのですが、この本では重要な部分は赤く刷られて、重要な部分が一目瞭然です。
三つめの理由は作画のポイントが載っている点です。『やさしい人物画』では具体性が乏しく、どうしたら上手く描けるかということが分かりづらかったです。しかし、この本では、ここをこうすればリアルに見える、という作画のアドバイスがイラスト付きで解説されています。
この本の少しダメなところ
この本は人体の描き方関して、非常にわかりやすいです。しかし、本当に少しだけ残念ところもあります。この本のchapter.2の画面構成についての部分です。
写実的な画面構成について述べられているのですが、具体的な描き方が載っていないところです。画面を圧縮して作画しろと描かれているのですが、その方法が書かれておらず、作画例がのっているだけです。ここらへんところをもう少し詳しく知りたかったです。
こんな人にオススメ
- ルーミス先生の『やさしい人物画』で絵を学ぼうとしたけど、挫折してしまった人
- 『人を描くのって楽しいね』である程度、人体の形を描けるようになって、筋肉や骨の構造をさらに理解したいと思っている人
以下の絵は僕がこの本を読んで描きました。
リアルなキャラクターを描くためのデッサン講座 (漫画の教科書シリーズ)
- 作者: 西澤晋,カラーズ
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2009/07/01
- メディア: 単行本
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